概算要求の見直し
本日、文科省よりトンデモない通知が来ました。
平成22年度科学研究費補助金の新規募集課題の公募停止について
平成22年度科学研究費補助金については、一部研究種目を除き本年9月から公募を開始しておりますが、平成22年度「概算要求の見直し」に伴い、下記研究種目については平成22年度の新規募集課題の公募を停止することとなりました。
(中略)
1.平成22年度新規募集課題の公募を停止する研究種目
(1) 「新学術領域研究(研究課題提案型)」(文部科学省より公募)
(2) 「若手研究(S)」(日本学術振興会より公募)
2.留意事項
(後略)
おいおいおいおい、本気か?
22年度の、とあるけど、たぶんこのまま種目消滅でしょう。しかも、公募が始まってから急に停止なんて、ひどい話です。
この規模の科研なら、応募する人は相当に前からチーム編成その他の準備を入念にしていたはず。それなのに、こんな紙切れ一枚で「停止することとなりました」って、あなた・・・。
いや、実は私も、今年ではないけど、将来的にはこの2つの種目への応募も視野に入れていたので、かなりの痛手です。
若手A・Bは今年が年齢制限最後の歳ですが、Aの2年目である私は新規応募はできません(若手は4年計画の場合のみ、最終年度の前年に新規課題に応募可)。よって、今もらってるものが最後になります。しかし、Sのみはもう少し年齢制限が甘く、あと何年かチャンスがあります。若手研究は個人研究が対象ですが、予算分担のない研究協力者等を立ててチームを編成することは可能です。Sは3000万~1億ですから、とうてい個人じゃ使い切れませんしね。
いや、実は、うちの研究所で今年、Sに採択された人がいて(もちろん理系)、それに触発されたという面もあるんですよね。それで、重複制限一覧表を確認すると、基盤A・B・Cほか、多くの種目と重複申請が可能(ただし、双方採択の場合は片方を辞退)とある。一発勝負ならともかく、重複できるのなら、思い切って勝負してもいいんじゃないかな~などと思っていたところです。大きなチームを立ち上げ、大掛かりな調査とデータベース化をおこなうなら、Sもアリかと。
一方の新学術領域も、人文・社会にまたがる学際的なチームを組んでやりたいことがあるので、それにこそ相応しいと思っていたし、課題提案型ならば若手でも狙えそうな感じなので、とても魅力的でした。
それがあなた、よりによって、どちらの種目も停止とはね・・・。
ちなみに、すでに上記種目に採択されている人は、そのまま継続することができます。勝ち逃げというやつですね。
となると、うちの研究所でSを取った某氏は、決して超えることのできない壁の向こうの人になってしまったわけですか。やれやれ、完敗です。
しかし、まいりましたね。
いや、上記2種目の停止もそうですが、存続する他の種目だって油断はできませんよ。この分では、どの種目も採択率は下がることでしょう。ただでさえ採択率の低い萌芽は、もうほとんど望みはないかもしれません・・・。
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