« さて | トップページ | 裏口人事反対闘争(4) »

2018年2月10日 (土)

裏口人事反対闘争(3)

(承

それにしても不可解なのは、どうして学部長は、ここまで忠犬の如く法人に服従するのかということです。
「私が学部長でなかったら、こんな汚い人事は絶対に反対するが、学部長という立場上できない」。
学部長の立場にある人には、学則よりも、学問や教育よりも、同僚や学生からの信頼よりも、なお優先しなければならないことがあるとでもいうのでしょうか?
着任から年数の浅い教員たちの目には、この人事にかかわる学部長の強引な態度はきわめて奇妙なものに映っていました。「理事になにか弱みでも握られているのかな」と話し合ったこともあります。
しかし、やや長くこの大学にいる教員にいわせると、そういうことではなく、「要するに、理事になりたいんでしょ、あの人」と。
大学理事というポストがそんな魅力的なものだとは思っていなかったので、そういわれてもピンときません。よくよく聞いてみると、本学の理事になると、年2000万円の理事報酬が生涯支給されるそうです。
なるほど、退職後に年金暮らしになるか年収2000万生活を送れるかでは、天と地ほどの差がありますね。
しかし、そもそも学問をするために大学教員になったはずなのに、カネに目がくらんでなりふりかまわず法人の手足となり、ここまで恥知らずな振る舞いができるものでしょうか? というか、理事になるには、そういう手段しかないのでしょうか?
自分の学問に見切りをつけた人にとって、もはやこれしか拠り所がないのだとしても、いやはや本当に憐れな人ですね・・・

さて、それはともかく、C専攻での受け入れ承認に失敗した学部長が、これからどう動くか。
ここは、学者としての誇りを失わず、自分の進退を賭けてでも理事に諌言してほしいものです。「我が学部は、このような人事を受け入れることは断じてできない」と。
学問とはなにか。教育とはなにか。大学とはなにか――。
少しでも良心が残っているのなら、多くの教員のこうした真摯な主張を受け止め、そのくらいの男気を見せてくれるのではないかと、わずかばかりの期待をしましたが、当時の私は、あまりにも学部長という人間を知らなすぎました。
今ならわかります。この男は、絶対に、そんな器ではない、と。

受け入れの同意を得られなかった専攻会議の2日後、再び専攻会議が緊急招集されました。
嫌な予感しかしませんでしたが、案に相違し、会議では主任から「候補者の所属は○○研究所に決まりました」との報告を受け、安堵のため息をつきました。
これは学内の研究所ですが、所員はみな学部所属教員が兼任しており、専任教員はいません。専任教員のいる研究所もいくつかありますが、そうではない研究所に新たに専任ポストを作ったわけですから、法人はかなり無理をしたと思われます。そこまでしてでも通さねばならない人事だったということでしょう。
ただ、その研究所の業務のほかに、専任教員としての責任コマ数をこなさなければなりません。
もともと専任のいない部署ですから、所管科目はありません。そこで、本学部から科目を提供してほしいということで、ABC各専攻が「痛み分け」として、それぞれ数コマずつ提供することになったそうです。なので、C専攻からも提供科目を決めましょう、と。
でもこれ、よく考えるとおかしな話ですよね。
学内の兼担でも、あるいは非常勤講師であっても、科目担当者を決めるのはその科目を所管する学部や学科・専攻の教員です。そこで履歴書や研究業績を確認したうえで審議して決めるものなのに、教員としての受け入れを拒否した3専攻が、科目を無条件で提供するなんて、意味がわかりません。
しかし、各専攻とも専任としての受け入れを回避できたことに安心し、そのくらいならしょうがないという空気になっていたのでしょう。いま思えば、この時にしっかり科目担当者決定の正規プロセスを踏んでいないことを抗議しておくべきでした。だいたい、こっちはなんの落ち度もないのに、「痛み分け」ってなんやねん。

また、専攻会議後にはこのようなことを思いました。
専任教員が配置転換で学内他部署に移動することがたまにあります。その場合、新規採用とは比べものにならないほど簡単な手続きで承認されます。
ということは、最初は研究所に配属しておき、数年経ったら(下手したら1年で)本学部に配置転換というストーリーを法人は描いているのではないかと。うちの学部で授業を担当させることで、既成事実もできてしまいます。
だとしたら、これは完全な騙し討ちではないか。早急に釘を刺しておかなければなりません。

翌週の教員会議で、学部長より、候補者の研究所配属と、3専攻からの科目提供について報告がありました。
私はそれまで教員会議で発言したことなどほとんどなかったのですが、ここ数ヶ月の動向を見ていると、黙っていたらとんでもないことになりそうなので、意を決して学部長に質問をしてみました。
「今回の人事、突然うちの学部に降ってきて大騒ぎした結果、どこの専攻でも受け入れることができないということになり、かと思ったら、次はあっさり研究所に決まったわけですが、我々はなにがなんだかわからないまま、ずっと振り回されていたように思います。その人の受け入れをめぐり何十時間も議論し、みんな疲弊しきっているわけですから、少なくともこの人事の背景について、法人に説明を求めるべきではないでしょうか?」と。
しかし学部長からは、「そんなこと、できるわけがない。我々は黙って従うしかないんです」と、あまりにも情けない回答。人の上に立つ器でないことは、ここからも明らかです。
呆れましたが、こんな人が学部長になってしまった不幸を今さら嘆いてもしかたありません。それよりも、配置転換について確認するほうが重要です。
「とりあえず研究所で採用してから、あとでうちの学部に配置転換という可能性はないのですか?」と質問すると、「それはなんともいえない。そういうこともあるかもしれない」というので、やはりそうかと思いつつ、「では、もし将来そういう話が出た場合は、専攻教員の知らないうちに決まっていたり、強引に押し付けたりすることがないよう、受け入れの可否についてちゃんと議論する場を持ち、専攻の意向を無視しないということを約束してください」と念を押すと、学部長はそれを了承しました。
よし、これで言質を取ることができた。議論の場さえ保障されれば、3専攻とも何度議論しても同意は得られないはずだから大丈夫。

さて、私のこの発言を受け、会議終了後、AB専攻の組合員が勧誘に来ました。
着任以来、長らく組合に入る必要性を感じていなかったため(着任当初の組合は弱腰だったということもあり)ずっと未加入でしたが、ここ数ヶ月の動きを見て加入するつもりでいたので、一も二もなく手続きをしました。
そしてこの人事にかかわる交渉の中心となっている書記長(他学部教員)を紹介され、現状と今後の戦略などを教えてもらいました。

続く

|

« さて | トップページ | 裏口人事反対闘争(4) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« さて | トップページ | 裏口人事反対闘争(4) »