任期問題

2013年4月 8日 (月)

ブラック

かつて研究所の任期付き教員20数人を不当解雇した某ブラック大学が、またやってくれました。
何度でも同じことを繰り返す、自浄能力を失ったブラック大学には、もはや大学としての存在価値はないと言ってよいでしょう。

もう、二度と関わりたくない。

いや、確かにね、労働契約法の改正は現場の実情にそぐわない面もあり、大学側が何らかの対応策を講ずる必要も生ずるでしょう。
とはいえ、5年を超えて雇用されている非常勤講師を全員専任にしろと言っているわけではなく、その条件のまま雇用を継続しろということなので、それほど対応が難しいわけではないんじゃないかな。カリキュラム改定等でコマがなくなった場合に、代わりのコマを見付けるのは大変かもしれませんが、しかし5年ごとに新しい非常勤を探すよりも簡単ではないでしょうか? いや、簡単であろうとなかろうと、非常勤なしに大学の運営は成り立たないのですから、そのくらいの配慮は当然しなければいけませんよね。
そのような状況となる前に5年で切ってしまおうという対応に出る大学もあるだろうことは施行前から容易に推測できたことであり、そういう意味ではこの改正自体も問題が少なくないわけです(一方で、大学非常勤講師は適用外と見る向きもあるようです)。しかし、そういうことを差し引いてもやはり、5年切りという措置が労働者に対して不誠実であるということは間違いありません。

でもね、そういうこと以上に許せないのは、5年規則を強行した騙しの手法。
非常勤講師が知り得ない時期に、知り得ないやり方でやっておいて、「こちらはちゃんと手続きしました」って、呆れるほど稚拙で下劣。
こんなツッコミどころ満載のやり方でも、どうせヤツらは泣き寝入りするしかないんだから大丈夫と、平気でやってしまったわけでしょうね。
某研究所の任期問題の時から、まったく進歩していない。
確かにあの時は、当局のやり方はボロが出まくっていて、いくらでも攻めようがあったわけですが、しかし「大学と戦ったヤツ」などというレッテルを貼られてしまったら、それがいかに正当な戦いであったとしても、研究者としての将来が絶望的となることは明白であり、泣き寝入りをするしかなかったわけです。当局の思うつぼ。
どうせ今回も、そうなるだろうと甘く考えていたんでしょうが、まさかの刑事告発! あっぱれです。

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2011年12月19日 (月)

団体交渉と意見糾合

(承

任期問題の記事をしばらく書かなかったので、もう f は忌まわしい過去は忘れ、新天地で前を向いて明るく楽しく生きているんだろう、などとお思いかもしれません。
まあ、基本的にはそうなんですが、しかしやはり、あの時のつらさを、そう簡単に忘れることはできそうにありません。
特に、2年前の12月は本当につらかった。保身のために平気で人を裏切ることのできる腐った人間たちを目の当たりにした時期であり、また、そのことに加えて任期問題による強度のストレスと体調悪化により、心身ともに最悪の時期でしたから、この季節を何ごともなかったかのようにやり過ごすことは、おそらく一生できそうもありませんね。
だからといって、そのことを改めて文章化するということは、自分自身にとっても気持ちのよいことではありません。というか、むしろ苦行です。あの時のことを思い出しながら書くという行為は、心を抉られるようにつらいことです。
しかし、大学当局による一連の悪事と、それによって人生をメチャクチャにされた多くの若手研究者たちの無念は、決して風化させてはいけないことだと考え、私は書き続けます。

しばらく間が空いてしまいましたし、また、別件も書いてますので、話が繋がりにくくなっていますが、時系列で言うと、2009年12月の組合介入以降のことになりますかね。
さて、3ヶ月前の解雇予告を目的とした面談を、組合からの中止勧告によって何とか回避したわけですが、これはつまり、大学当局への宣戦布告でもあり、もう後には退けない状況になってしまったわけでもあります。

12月下旬、組合と当局との間では、任期問題に関わる団体交渉がおこなわれました。
まずは事実確認からですが、この問題を組合に持ち込んだのが人文系の所員数人だったのをいいことに、研究所の役職者たちは、「これは研究所の人文系の一部の動きであり、こちらは4月にも7月にも再任のないことを伝えている」「実際に社会系・自然科学系の所員は、4月の段階で再任のないことを理解している」などと大嘘をついた挙げ句、「なぜか人文系の一部にだけ、理解が行き届いていなかった」「それは、人文系のポストの少なさに起因しているのかもしれない」として、これを人文系の「分野の特殊性」という問題にすり替え、矮小化しようとしていました。
これは明らかに偽りで、我々がこの時に把握していた範囲では、10月の所長からのメール以前に、再任のないことを知らされた所員はいません。

ただ、何度も書いているように、任期付きで、しかもこの大学でのテニュアを匂わされている立場にあっては、誰も表立って反抗することなどできはしません。どんなに理不尽なことをされても、わざわざ自分が先頭に立つなどということはもってのほか。
かく言う私自身も、こんな無茶苦茶な措置を強行すれば、きっと誰かが組合に訴えてくれるに違いないと思っていました。
しかし、いくら待ってもそういう動きは見えず、他力本願ではどうしようもないと考え、一期生の任期切れがいよいよ近付いてきたときに、私を含む数人の人文系所員が、意を決して組合に持ち込んだという次第。

さて、役職者によるこの火消し対応に対し、そうではなく全所員が納得していないのだということを明らかにする必要があります。
しかし、不満は持っていても、先に書いたような次第で、組合に関わることに多くの所員が尻込みしていたわけですから、全員の意見を糾合することなんて容易ではありません。そもそも、そんな目立つ行動を取った日には、すぐに首謀者として吊し上げられてしまう危険性も多分に伴います。
でも、ここで動かなければ、「人文系の一部の問題」として葬り去られてしまうことは明らか。誰もその役をやらないのなら、もう自分がやるしかないでしょう。
と言っても、組合に持ち込んだ数人は、もはや運命共同体でしたから、私1人に押し付けたということではありません。その数人、および組合と議論に議論を重ねた上で、複数人で手分けして全所員に聴き取り調査をするよりも、誰か1人がメールを出して集計するほうが効率がよいし、回答する側にしても、一元化されていたほうが安心して答えられるだろうという結論に達し、私がその役を買って出たわけです。
そして年が明けてから、絶対に回答者の名前は出さないという条件で、以下の質問に答えてもらいました。

1.所長・副所長・理事などから、「3年任期とあるが、実際には5年はいられるので、じっくり研究してください」という意味のことを言われたことがありますか?

2.再任のないことを、いつ言われましたか?

3.今回の全員不再任措置について、どう思いますか?

4.もし差し支えなければ、来年度の仕事が決まっているかどうかを教えて下さい。

そして、研究所の一期生・二期生のうち、9割以上の所員から回答をいただきました。
当局への反抗とも言えるこの動きに対し、多くの所員が尻込みしていたので、大部分が回答してくれないんじゃないかとも思っていましたが、これだけの回答を得られたことは本当に夢のようでした。
集計結果を以下に示します。

1.所長・副所長・理事などから、「3年任期とあるが、実際には5年はいられるので、じっくり研究してください」という意味のことを言われたことがありますか?
 A はい 17人
 B いいえ 1人
 C 覚えていない 3人

なんと、ほとんどの回答者が、「5年いられる」と言われたと答えています。
そして、そう言われた人のうち、どういう状況で言われたか、ということについては、以下のような情報がありました。
・正確な日にちは覚えていないが、何度か聞いた。
・採用前の理事面談で、「書類には3年目に審査とあるが、5年いられると理解してくれてかまいません」と理事の方から言われた。
・入所式で所長から、「成果が出なかったからといって、3年でクビということはありません」と言われた。
・入所式後の懇親会で所長から聞いた。
・採用面接の時に聞いた。
・着任後1年くらいは、この種のことを何度か言われた。
・着任時に所長から、「5年かけるような大きな課題にも取り組んでください」と言われた。
・着任時に所長から、「次のポストを考えるよりも、5年間、じっくり腰を据えて研究してください」と言われた。

2.再任のないことを、いつ言われましたか?
 A 2009年4月 0人
 B 2009年7月 0人
 C 2009年10月のメールで初めて知った 17人
 D その他 4人

団体交渉で研究所の役職者たちは「こちらは4月にも7月にも再任のないことを伝えている」と言いましたが、4月や7月にそう聞いたという人は、みごとに0です。
なお、D「その他」の中には以下のような情報がありました。
・2009年4月頃、「更新はないらしい」という噂を聞いた。
・2009年4月頃、間接的な情報として「更新はない」「あったとしても(10月着任の)二期生を半年延長するくらい」と聞いた。
・徐々にそういう雰囲気を感じていた。

3.今回の全員不再任措置について、どう思いますか?
 A 困る、納得できない 11人
 B 大学・研究所の事情なのだからしょうがない 3人
 C 基本3年任期なのだから当然である 0人
 D その他 7人

D「その他」のうち、1人は「AとBの中間」、1人は「もし延長できるのであれば、その方が助かります」。

4.もし差し支えなければ、来年度の仕事が決まっているかどうかを教えて下さい。
 A 決まっている(専任職)
 B 決まっている(非常勤職/肩書きのみの無給職)
 C 決まっていない

これはここには人数は示しませんが、専任職に決まっているという人は少数で、ほとんどがBかCでした。
いくら世界中から優秀な研究者(f を除く)を集めたといっても、多くの所員はまだ転出活動をしていなかったので、仕事が決まっていないのは当たり前です。5年任期だと思っていたところで、3年目の10月に突然「任期は3年」などと言われたわけで、それから慌てて就活を始めても、10月なんてもう公募戦線の終盤に差しかかる時期ですから、うまくいく人が少ないのは当然の結果ですよね。

さて、ともかくも、こうして役職者の言い分とは正反対の結果が出ました。
このデータを次の団体交渉で出したら、ヤツら、どんな言い訳をするつもりだろうと考えると何だか楽しくなってきて、多くの所員が共闘してくれているということと併せ、私の心は少しばかり軽くなりました。

 

・・・しかし、もはや狂気としか言いようのない悪意を剥き出しにした権力者の前では、今さら我々がどんなデータを提示しても無意味であることを、ほどなくして知ることになります。

(続く)

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2011年7月18日 (月)

最悪の時期

(承

一方、私はこの時期、この件について、別のところでも非常につらい思いをしていました。

二期生の私は、任期切れまであと10ヶ月弱。残された任期は一期生よりは半年長いわけですが、とはいえ当年度の公募はもうほぼ出尽くしており、翌年度4月に転出できる可能性はゼロに近く、また、10月着任の公募というのは一般的にとても少ないので、翌年度下半期に職がなくなってしまう可能性が非常に高い。なので、危機感は一期生とあまり変わりません。
この頃には、私の出身専攻の教員たちにも研究所の任期問題が知れわたっており、多くの教員は同情的でした(だからといって何ができるわけじゃないけど、同情だけで十分)。
しかし、その専攻の中には大学当局寄りの教員が2人います。当局のお先棒を担ぐ彼らにしてみれば、私が当局に叛旗を翻すことになったら困ってしまうわけですよ。そして彼らは、当局批判などはもってのほかという考えですから、当局がどんなに酷いことをしても、見て見ぬふりをしています。それによって、人生が大きく狂ってしまう若手研究者が大量に発生しようがなんだろうが、そんなこと知ったこっちゃありません。研究や教育の将来を担う若手の人生なんかよりも、自分の立場のほうが大切です。
・・・研究者として、教育者として、その適性を疑われてもしょうがない考え方ですね。いや、それ以前に、そもそも人としてどうなのかと。
この先棒教員の1人は、ヘラヘラしながら、「まあ、しょうがないね。もっと早くから他大学の公募に出してなかったお前が悪いんだよ(笑)」と言ってのけました。
しょうがない?
お前が悪い?
この某先棒教員は、2007年夏に私がこの研究所に内定したあと、他大学の公募(諸条件から、かなり採用の可能性が高いと思われた)に出そうとしたら、「研究所を半年で出ていく気か? そんな不義理は許さない。もしその公募に出して採用されたら、図書館も含め、うちの大学への出入りは自粛せよ」とまで言ったんですよ。要するに脅迫です。
不義理? 確かにテニュア(終身在職)ポストを半年で蹴ったら不義理でしょう。しかし、任期付きのポストというのは永続的な雇用を保証していないゆえ、他のポストに決まったらいつ辞めてもよいというのは、この世界では常識です。それを不義理とは、とんでもないことを言う人だな。
もちろん、そんな言葉を無視して応募することも可能でしょう。しかし、指導教授だったわけではないにしろ、やはり教授の職位にある人間からそう言われたら、それがいかに無茶な内容であっても、非常勤講師(当時)の身分にある人間は躊躇せざるを得ません。典型的なパワハラの構図ですね。
また、10月に研究所に着任してからは、普通にやっていれば5年いられるうえに、学内で適合ポストが空いたら優先的にそこに入れると言われてたので、その公募に出さなかったことも惜しいとは思われず、以後はずっと公募には応じていませんでした。
まあ、5年いられようが、この大学に残れる可能性が高かろうが、所詮は不安定な任期付きポストと割り切って早めに転出準備をするというのも一手ですし、実際、そういう人もいました。私の場合は、5年いてじっくり研究成果を上げ、あわよくばこの大学でポストを、という方向に賭けたわけで、まさか大学がこんな卑劣な行為を平然とやってのけるとは想像できませんでしたが、転出活動をしなかったということに関してのみ言えば、自己責任の範疇だと思っています。
しかし。しかしですよ。
公募に出す・出さないということは私の裁量であるにしても、少なくとも、かつて強権を発動して私の応募を妨害した張本人が、「もっと早くから公募に出さないお前が悪い」と言ってのけたわけですよ。臆面もなく。あまりの理不尽さに目眩がしました。

人間、ここまで醜くなれるものなのでしょうか?

研究者としての未来を断ち切るかのような研究所の酷いやり方に加え、味方であるべき人間からのこのような仕打ち。私は心身ともにまいってしまい、血を吐きながら苦しみました。比喩ではなく。
かつて、某短大が某学科を潰したとき、解雇を言い渡された当該学科の教員のうち3人が、解雇までの2年間に癌で亡くなったという話は、その筋では有名です。
私自身、43歳で胃癌で逝った父親の年齢に近付くにつれ、自分の身体への懸念は徐々に大きくなっています。
そしてこの状況。
この時の私は、自分はもう1年も生きられないんじゃないかと、本気で死を覚悟していました。人生最悪の時期だったといっても過言ではありません。

いや、私だけでなく、任期問題の被害者たちの多くが本当につらい思いをしていました。
研究者としてのキャリアが理不尽に傷つけられただけでなく、「募集要項に書いてあったように、ちゃんと業績評価をしてください」というきわめて正当な主張であるにもかかわらず、当局への反逆とみなされ、そして周囲の人間は自分に累が及ばないよう我々から距離を置く。孤立無援。
なんの落ち度もない人間が、単なる“当局の都合”のため、それまで積み上げてきた研究業績も無視され、こんな酷い仕打ちを受けなければならない理由があるのでしょうか?

その一方で、任期のない専任教員の中には、多少の瑕疵があっても、なんのお咎めも受けずにのうのうと勤めている人間もいるわけですよ。この腐った組織に、研究教育機関としての正義は存在するのでしょうか?

続く

 

 

ちなみに、私が応募を断念させられた公募ですが、その翌春、某先棒教員の弟子が採用されたことを知りました。いやはや、世の中にはそういう偶然もあるんですねぇ・・・。

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2011年6月29日 (水)

組合介入

(承

前任校の某ブラック研究所の任期問題の件、組合が動き出して云々という、1年以上前に書いた記事から進んでいませんでしたよね。
久しぶりに、ちょっと書いてみます。

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あまにりも理不尽で無茶苦茶な、とても21世紀の日本とは思えない酷い仕打ち。こんなことやれば、すぐにでも組合が動くだろうと思っていましたが、なかなかそういう話は聞こえてこない。
学内であっても、すぐには情報が行かないんでしょうか? でも、これだけ酷い状況になってるんだから、誰かが相談に行きそうなもんですけどね。・・・と、おそらくはみな同じ思いを抱いていたのかもしれませんが、任期付き教員という弱い立場では、誰も自ら進んで矢面に立とうとは思わないんですよね。
でも、このままでは年度末で一期生が任期切れになり、そうなったらそれ以降も同様に3年で切られることが確定してしまう。いま動かなければどうにもならない。
・・・ということで、私が率先する形で、組合に相談に行きました。それに先立ち、研究所の役職者に抗議した一期生も何人かいたんですが、彼らも含め、数人で。2009年11月末のことです。

その頃、12月半ばに一期生に対し面談をするという通達がありました。任期満了後の進路の確認等、とかいう名目でしたが、すでに任期問題で騒ぎが大きくなっていた時期だったので、事態の鎮静化が目的なんじゃないかと思いました。
しかし、組合の見解では、「これは、3ヶ月前の解雇予告が目的でしょう」と。1人1人呼んで、役職者たちに取り囲まれ、「あなたの任期は2010年3月末までです。異論はありませんね?」と言われたら、任期付き教員の多くは、首を縦に振るしかないだろう。向こうの狙いはそれに違いない、と。
なので、ここは面談対象の一期生(4月以降の転出先未定者)全員が足並みを揃えてあちらの言葉を拒絶する(少なくとも黙秘して承諾はしない)必要があるわけですが、圧迫面談でそんなことできる人が何人いるでしょうか。そもそも、この時点では数人が組合に相談に行っただけで、まだ所員全員に周知できていない状況です。首謀者として当局に目を付けられたらマズイので、同じ境遇の同僚に対してすら、迂闊に動けない状態でしたからね。
そこで、我々は窮余の一策として、組合から研究所に面談中止の勧告をしてもらえないかというお願いをしました。もし面談をおこなう場合は、組合の委員長・書記長同席のもとにおこなうこと、として。

この強硬手段は成功し、12月の面談は回避できました。とりあえず一安心ですね。
しかし、当研究所は総長の意向をダイレクトに反映する、組合が口を出せない、いわば“聖域”として設立されたと聞きます。その聖域に組合が介入したということですから、これは、言ってみれば宣戦布告も同然です。もう後には退けません。誰が組合と繋がっているのか面は割れてない(はず)にしても、もう徹底的に戦っていくしかない。ここで中途半端なことをしたら、事態はより悪化するでしょう。

続く

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2011年4月 7日 (木)

過去記事再公開、および今後の展望

(承

しばらく非公開にしていた過去記事を再公開しました。

すでにお察しのことと思いますが、労働争議絡みで非常に緊迫した状況に身を置いておりました。そういう時に、たとえ匿名でフィクションを織り交ぜて書いているブログであるとはいえ、いつこれで足もとをすくわれるかわかりません。なので、リスク回避のために、関係ない記事も含め、すべて非公開にしていたわけです。
しかし、もはや怖いものはありません。やりたい放題やっていきたいと思いますが、まずはこれらを再公開するところから始めましょう。

いずれ、我々任期付き教員が、あのブラック大学で受けた信じがたい仕打ちと、それを悪と知りながらも保身のために我々に敵対した卑劣な連中の所業についても書いていきたいと思います。

まあ、いまや新天地で、研究にも教育にも存分に取り組める環境を得たわけですから、そんな過去のことなど引きずらなくてもいいんじゃないか、という思いもあります。
しかし、あのことを忘れるということは、要するにヤツらの所業を容認するということです。あのようなことが、大学という場でまかり通っているということは、研究者・教育者としての大学人の在り方を真っ向から否定することにほかなりません。一連のできごとを、丁寧に記録し、広く世に問うことこそが、研究者・教育者としての正義に基づく行為であると信じております。

・・・とはいえ、所詮は匿名ブログですからね。ここでできることはたかが知れています。
本当の戦いは、他の被害者たちとも相談の上、別の形で展開してゆくことになると思いますので、ここに書くことはあくまでも、事件を下敷きにした、ネタ的な雑談だと思ってください。

続く

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2010年5月 5日 (水)

昨秋以来のこと

昨秋以来、体調を壊していると何度かここに書いてきました。
また、その主たる原因として、“あること”に起因するストレスを挙げました。

差し支えない範囲でしか書けませんが、実は、職場の労働争議なんです。
まさか自分がこんなことに巻き込まれるとは夢にも思っていなかったので、昨秋以来の出来事が、いまだに現実であると受け入れられないままです。

要は、任期問題なんですが。

うちの研究所、当初は「3年任期、業績評価により最長5年」という触れ込みで公募をしました。「業績評価により」ということなので、評価が悪ければ任期が延長されない可能性もあるわけですから、内定時には、3年を待たずすぐに出ていくつもりでいました。
ところが、着任してからは、折に触れて所長が、「普通にやっていれば5年はいていただけます」「3年というのはあくまで中間評価」「3年で成果が出ないからといって、それでクビということはありません」「次のポストのことを考えるよりも、ここに定着して、じっくりと研究していただきたい」等と言っており、中には、着任前の理事面談で、理事から「書類には3年と書いてありますが、実際には5年ですから、じっくり研究してください」と言われた人もいたようです。
また、うちの研究所よりも遥かに条件の良いポストを辞めて来た人もいます。もっと任期の長いポストとか、あるいは任期なしの助教とか。そういう人たちは、准教授になれる・5年は確実にいられる、ということだけでなく、かなりの高確率でうちの大学でテニュア(終身在職権)を得ることができると匂わされていたようです。実際、そのくらいの好条件でなければ、わざわざうちの研究所に来る理由なんてないような人たちですし。

そういう次第で、当初は「いい職場に来たもんだ」と誰もが思っていたわけですよ。
テニュアを得られるかどうかについては、別枠で科振費によるテニュアトラック制度が導入されたので、そっちと同じわけには行かないにしても、「準テニュアトラック」とか言って、優先的に学内の空きポストに入れてもらえるという話でしたし。

ただ、それでも私は慎重に、業績評価をするというからには全員が任期更新されるとは限らない、という可能性も考えていました。

さて、自分たちよりも半年早く着任した一期生に対する業績評価は、3年目の夏~秋におこなわれるということだったので、その結果が出るのを見守っていました。
しかし、8月が過ぎ、9月になっても、いっこうに知らされないという。それ以前に、准教授への昇任審査のように、業績一覧や現物の提出も求められていないとか。いったい、どうなっているんだろう。そろそろ来年度の担当授業も決まる時期だというのに。

そして10月、全所員宛てに所長名義のメールが来ました。
「研究員の任期は3年とする」。

は? 何これ? 意味がわからないんですけど。

いや、基本任期が3年ということはわかってますよ。我々が知りたいのは、その基本任期の3年を更新するための業績評価がいつおこなわれるのか、ということなんですが。
「任期は3年とする」という文面は、「更新は認めず、全員一律3年任期である」とも読めるし、基本任期の確認とも読める。

しかし、10月なんて、もう公募戦線は終盤に差しかかっている時期です。そんな時期に、いきなり「更新しません」なんて言われても困ります。
もちろん、更新されても最大5年ですから、いつかは出ていかなければならないということはわかっていますよ(一応、学内でのテニュアも期待はしていますが)。実際、任期1~2年程度で他大学に転出した人もいますし。でも、まだ任期が残っているうちは、条件の悪いポストに応募するよりは、ここに残って研究を進めつつ、より良いポストを探すというのは当然の戦略でしょう。何より、5年は保証してくれるようなことを言われてきた我々は、それを戦略に組み込んで動いているわけです。

ということで、件のメールの意味するところについて、特に、それが喫緊の問題となる一期生たちが、管理職に質問をしました。
その答えは、「任期の更新はしません」とのこと。
おいおいおい、ちょっと待てよ。そんなおかしな話がありますか?
そもそも、業績評価によって更新という話じゃなかったのかと問えば、「もう業績評価はやった」とのこと。業績一覧の提出を求められていないと言えば、「教員データベースを見た」と。では、その評価基準は何かと聞けば、「本や論文や科研費ではなく、学会賞以上の、新聞に載るような受賞歴」だという。本や論文や科研費を研究者の業績として認めずに、賞という外部評価だけに委ねるというのも、かなり無茶苦茶な話ですが、その後、ある人が新聞に載る賞を取りました。そしたらなんと、「あれは忘れてください」と。

・・・いや、もう呆れました。ここは本当に21世紀の日本なのでしょうか?
我々はみな、突然、自分たちを襲ったこの悪意の塊のような理不尽な措置を、にわかに信じることができませんでした。これは何かの間違いなんだろう、自分たちは夢を見ているんだろう、と。
しかし、状況は好転しないまま、一期生の任期切れはどんどん迫ってきている。10月以降、慌てて公募に出そうと思っても、なかなか良い条件の公募はなく、准教授なのに助教のポストに応募する人もいました。いや、それでも理系や社会系は出せる公募がそこそこありますが、人文系なんて、年間通して数件くらいしかないんですから、この時期に新たに出る公募なんてめったにありません。このままでは、みな職を失ってしまいます。
この研究所の設立の目的は、いったい何だったのでしょう? これではまるで、5年いられると言って油断させ、2年半経ったところで「実は3年」とタネ明かしをして、多くの研究者を路頭に迷わせるという、壮大な罰ゲームとしか思えません。

そして12月。
このあまりにも理不尽な措置に対し、ついに教員組合が動き出しました。

続く

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